切土と盛土は何が違う?できた斜面を守る仕事までわかりやすく解説

道路工事や宅地造成の説明に出てくる「切土」と「盛土」。どちらも土地の高さを変える作業ですが、切土と盛土の違いは、元の地盤を削って下げるか、土を足して上げるかです。


山側を削る切土でも、低い場所に土を盛る盛土でも、工事によって斜面ができる場合があります。その斜面を「法面(のりめん)」と呼びます。この記事では二つの言葉の見分け方から、できた法面を守る仕事とのつながりまで説明します。




切土と盛土の違いは「削る」か「盛る」か

切土は、その場所に元からある地盤を切り下げることです。たとえば山の横を通る道路を造るとき、道路の高さより山側の地盤が高ければ、必要な部分を削って通る空間を確保します。削った後の山側には、地面の断面が斜面として現れることがあります。


盛土は、土を盛り立てて地盤を高くすることです。道路を通したい場所が周囲より低ければ、土を重ねて計画した高さに近づけます。盛り上げた部分の外側にできる斜面が、盛土の法面です。


「切り土」「盛り土」と送り仮名を付けて書かれることもありますが、考え方は同じです。覚えるときは、出来上がった土地の用途よりも、工事前の地盤に対して何をしたかに注目すると混乱しません。


つまり、完成後の道路が平らに見えても、その土地をどう変えたかは反対です。切土は「高い地盤を下げる」、盛土は「低い地盤を上げる」。道路の両側で、片側を切土、もう片側を盛土としている場合もあります。


国土交通省の道路土工資料では、切土を地山を切り下げた部分、盛土を土を盛り立てた部分として区別し、切土または盛土で人工的に形成された斜面を「のり面」としています。ここでいう地山は、工事前からある自然地盤のことです。


参照:国土交通省中国地方整備局「道路土工の構成・土工名称の解説及び機能」




道路の高さと元の地盤を比べると見分けやすい

切土か盛土か迷ったら、完成した地面の形だけでなく、工事前の地盤がどこにあったかを考えてみてください。山腹に道路を通す例なら、山を削って道幅を確保した側が切土です。谷側や低地に土を足して道路面を支える部分は盛土です。これは仕組みを理解するための例で、実際の形は地形や設計によって変わります。


法面の位置にも違いが出ます。切土では、削った地盤が道路などの背後に斜面として残る場合があります。盛土では、積み上げた土の外側が斜面になります。「山に面しているから必ず切土」「なだらかだから必ず盛土」と見た目だけで判断することはできません。


工事の前後で地面の高さを比べられる図面や写真があれば、何を取り除いたか、どこに土を足したかを追えます。現地で完成した道路だけを見る場合は、元の地盤が隠れていることもあるため、断定は避けた方が正確です。


たとえば斜面に沿って道路を造る場合、山側の地盤を削り、反対側の低い部分に土を盛る配置が考えられます。このとき「道路工事は切土か盛土か」と一つに決めるのではなく、どの部分を指しているかを確認します。用語の違いが分かると、工事の断面図で切土の法面と盛土の法面を別々に追えるようになります。


「法面」と一般的な「斜面」の呼び分けまで知りたい方へ。

法面と斜面の違いを読む




切土でも盛土でも法面ができる

切土と盛土は地面の高さを変える方法ですが、どちらも法面を生むことがあります。切土なら元の地盤を削った面、盛土なら積んだ土の外側です。道路の通行や周辺の利用を考えると、斜面を造って終わりにはできません。


法面の保護方法は一つではありません。土質、勾配、雨水や湧水の状態など、現場の条件を踏まえて方法を検討します。「切土だからコンクリート」「盛土だから植物」と機械的に決まるものでもありません。条件によって、表面の保護だけでなく、別の対策を組み合わせる場合もあります。


当社の事業内容には、種子などを含む材料を散布する種子散布工、モルタルやコンクリートを吹き付ける工法、鉄筋と型枠を用いる現場吹付法枠工などがあります。それぞれ使う材料も、斜面に対する施工のしかたも異なります。種子散布工については、切土の法面と盛土の法面の双方に適用する例を紹介しています。


植物を育てるための材料を散布する工法と、モルタル・コンクリートで表面を覆う工法は、見た目だけでなく目的や適する条件が異なります。現場吹付法枠工では、斜面に鉄筋と金網型枠を設けて吹き付け、枠内を別の方法で覆う場合もあります。ここでは工法名をすべて覚えるより、同じ法面でも施工方法が一つではないことを押さえてください。


切土や盛土そのものは土地の形を造る土工です。当社がここで紹介する法面工事は、その結果できた斜面を保護する仕事としてつながります。この違いを押さえると、「土を削る・盛る作業」と「できた斜面に施工する作業」を混同せずに理解できます。


どの工法が必要かは、二つの用語だけでは決められません。緑化すれば必ず植物が育つ、吹付けをすれば斜面全体が絶対に崩れない、といった保証もできません。斜面や地盤の条件を確認したうえで工法を選ぶことが大切です。


法面工事のほかの方法も知りたい場合は、代表的な工法を紹介した記事を読めます。当社が掲載している工法の内容は事業内容にもまとめています。




できた法面を守る作業員の仕事

切土と盛土を知ると、道路脇の斜面を見る目も変わります。山を削った跡か、土を盛った外側か。その法面に植物を育てる材料が散布されていたり、モルタルが吹き付けられていたり、格子状の枠が設けられていたりするのは、斜面に合わせて保護する工事が行われているためです。


法面作業員の仕事は、平らな場所で土をならす作業だけを想像すると捉えにくいかもしれません。当社が公開している工法を見ても、種子などを含む材料の散布、モルタル・コンクリートの吹付け、鉄筋や型枠を用いた法枠の施工では、扱う材料や機械が異なります。実際にどの作業を担当するかは現場や役割によって変わります。


求人を見る際も、「切土・盛土をする仕事」と「法面を保護する仕事」を分けて読むと、仕事内容を理解しやすくなります。当社の募集ページには工事現場管理と法面作業員の両方が記載されています。図面や工程を管理する役割についての説明を、そのまま作業員全員の担当業務と受け取らないことも大切です。


斜面での作業には、高さや足元への注意が必要です。また、地盤や水の状態が違えば、同じように見える斜面でも確認すべきことは変わります。未経験の方が、工法の名前を最初からすべて覚えている必要はありません。一方で、現場の指示と安全上の確認を軽く見ず、分からないことをそのままにしない姿勢が欠かせません。


当社は佐賀県唐津市を拠点に、佐賀県・福岡県・長崎県で法面工事を手掛けています。法面作業員を募集しており、未経験の方には社長や先輩の職人が指導します。切土と盛土の違いから法面に興味を持った方は、仕事内容や勤務地などの募集内容を確認してください。


斜面を守る仕事に関心がある方へ。

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